自転車ヘルメットの安全基準まるわかりガイド|SG・JCF・CE・CPSCの違いと「CE表示」の落とし穴

自転車ヘルメットの安全基準まるわかりガイド|SG・JCF・CE・CPSCの違いと「CE表示」の落とし穴

Ver.1.0 ― 2026年9月公開

 

この記事の結論💡

 

自転車用ヘルメットには、オートバイ用のPSCマークのような「法律で義務付けられた安全基準」がありません。だからこそ、SG・JCFなど第三者が認証したマークの有無を、買う側が自分で確かめる必要があります。独立行政法人国民生活センターが2025年3月に公表したテストでは、通販で「CE(EN1078)適合」をうたう自転車用ヘルメット6銘柄のうち3銘柄が、衝撃吸収性の基準(250G以下)を大きく超える806〜879Gを記録しました。söpötaのヘルメットは3ラインすべてが一般財団法人製品安全協会のSGマークを取得しています。

 

この記事の要点5つ

 

  • 自転車用ヘルメットに法的な販売規制はない。着用は道路交通法第63条の11による努力義務(罰則なし)で、安全性はマークで見分ける
  • 国内の主なマークはSG・JCF・JIS、海外はCE(EN1078)・CPSC。基準ごとに試験方法が違うため、数値だけで優劣は比べられない
  • SG・JCF・JISは「第三者認証」、CE・CPSCは「自己適合宣言」に分類される(国民生活センターの整理)
  • 「CE」だけでは不十分。規格番号がEN1078か、内側に衝撃吸収層があるかを確かめる。EN812は軽作業用で自転車用ではない
  • SGマークには賠償制度がある。有効期限内に製品の欠陥で事故が起きた場合、人的損害に最高1億円

 

1. 自転車ヘルメットには「法律上の安全基準」がない|オートバイ用との違い

 

2023年4月1日から、道路交通法第63条の11により、年齢を問わずすべての自転車利用者にヘルメット着用の努力義務が課されています。罰則はなく、2026年4月に始まった自転車の青切符の対象違反にも含まれていません。

 

意外に知られていないのは、「どんなヘルメットなら自転車用として売ってよいか」を定めた法律もないという点です。国民生活センターは2025年3月26日の報道発表で、「国内に自転車用ヘルメットについての公的な規格・基準はなく、自転車用ヘルメットとしての販売に関する規制はありません」と明記しています。

 

オートバイ用(乗車用)ヘルメットは、消費生活用製品安全法でPSCマークの対象製品とされ、マークがなければ販売も陳列もできません。自転車用ヘルメットは、この仕組みの外にあります。

 

項目 オートバイ用ヘルメット 自転車用ヘルメット
着用 義務(違反点数あり) 努力義務(罰則なし)
販売の規制 PSCマークがないと販売不可 規制なし
安全性の見分け方 PSCマーク(+SGマーク) 任意のマーク(SG・JCF・JIS・CE・CPSCなど)
表示の正しさを事前に確かめる仕組み 法律に基づく技術基準 なし(購入者が確認する)

 

規制がないことの影響はすでに表に出ています。消費者庁は2024年12月12日、性能が表示どおりではなかったとして、自転車用ヘルメットの販売事業者3社に景品表示法に基づく措置命令(優良誤認)を出しました。一方、購入費を助成する自治体の多くはSG・JCF・CE・CPSCなどへの適合を条件にしており、マークは補助金を受け取れるかどうかの条件にもなっています。

 

2. 5つの主要マークの違い|比較表でひと目でわかる

 

国内で流通する自転車用ヘルメットの主なマークは、次の5つです。

 

マーク 運営・根拠 認証の方式 衝撃吸収性の基準値 あごひも(保持装置)の基準 ポイント
SGマーク 一般財団法人製品安全協会(SG基準CPSA0056) 第三者認証 2,940m/s²(約300G)以下 最大伸び35mm以下・試験後に容易に外せる 賠償制度あり(人的損害に最高1億円)
JCFマーク 公益財団法人日本自転車競技連盟 第三者認証(公認・推奨) JIS T8134に準拠 JIS T8134に準拠 競技大会では公認ヘルメットが必須
JISマーク JIS T8134:2018(日本産業規格) 第三者認証 2,940m/s²(約300G)以下 最大伸び35mm以下 国の規格だが、取得は任意
CEマーク EU(EN1078) 自己適合宣言 2,450m/s²(約250G)以下 動的伸び35mm以下・残留伸び25mm以下 EN812は軽作業用で自転車用ではない
CPSC 米国消費者製品安全委員会(16 CFR Part 1203) 自己適合宣言 2,940m/s²(約300G)以下 動的伸び30mm以下 米国で流通させるための基準

出典:独立行政法人国民生活センター「海外の安全基準への適合をうたう自転車用ヘルメット」(2025年3月26日)参考資料3。1G=約9.8m/s²で換算。

 

表を見ると「CEの250Gがいちばん厳しい」と読みたくなりますが、国民生活センターは「基準ごとに試験方法が異なる場合があるため、基準値だけで比較することはできません」と注記しています。落下速度や前処理の温度条件が違うため、数値の大小がそのまま安全性の差にはなりません。

 

どの基準にも共通しているのは、①衝撃吸収性(頭に伝わる衝撃を一定以下に抑える)②保持装置の強さ(あごひもが伸びすぎない・切れない)③保持装置の性能(ヘルメットが脱げない)の3本柱です。どれか1つでも欠ければ、転倒時に頭を守れません。

 

3. 「第三者認証」と「自己適合宣言」の違いがいちばん大事

 

比較表で最も注目してほしいのは、「認証の方式」の列です。

 

  • 第三者認証(SG・JCF・JIS):メーカーとは別の認証機関が製品を試験し、基準に適合したものだけにマークの表示を認める
  • 自己適合宣言(CE・CPSC):国民生活センターの整理では、製造者が自ら基準への適合を宣言する方式に分類される

 

CEやCPSCの基準そのものが甘いわけではなく、EUや米国では基準を満たさない製品は域内で流通できません(国民生活センター)。問題は、日本の通販で売られる製品の「CE」「CPSC」表示が正しいかを、国内で事前に確かめる仕組みがないことです。

 

SGマークは認証機関が試験したうえで表示が認められます。国内で買うヘルメットなら、国内の第三者認証であるSGマークを基本の目安にするのが確かめやすい方法です。

 

4. 国民生活センターの検査でわかった「CE表示」の落とし穴

 

国民生活センターは2024年11月、Amazon.co.jp・Yahoo!ショッピング・楽天市場で「自転車用ヘルメット」と検索して上位に表示され、EN1078への適合をうたっていた6銘柄を購入し、EN1078の方法で試験しました(購入価格は1,344〜4,699円)。結果は次のとおりです。

 

試験項目 EN1078の基準 基準を満たさなかった銘柄 主な結果
衝撃吸収性 250G以下 6銘柄中3銘柄 806G・879G・861Gと基準の3倍超
保持装置の強さ(あごひも) 動的伸び35mm以下・残留伸び25mm以下 6銘柄中3銘柄 3銘柄とも伸びが測定限界の115mm以上。うち2銘柄はバックルが破損
保持装置の性能(脱げにくさ) 人頭模型から脱落しない 6銘柄中2銘柄 後端を前方へ引っ張る試験で脱落
本体の表示(8項目) 規格番号・製造者・サイズ・製造時期など 6銘柄すべて 8項目すべてを表示した銘柄はゼロ

 

国民生活センターは、「EN1078への適合をうたう銘柄について、衝撃吸収性、保持装置の強さ、保持装置の性能、表示に関する同基準をすべて満たすものは確認できませんでした」とまとめています。

 

この検査で最も重要な発見は、衝撃吸収性で不合格だった3銘柄は、いずれも内側に発泡スチロールなどの衝撃吸収層を備えていなかったことです。衝撃吸収層のある3銘柄は128〜172Gで基準内に収まりました。外から見て「ヘルメットの形」をしていても、内側に衝撃を吸収する層がなければ、頭に伝わる衝撃はほとんど減りません。

 

もう1つの落とし穴が規格番号の違いです。製品安全協会はメールマガジン(2024年3月15日)で、次のように注意を呼びかけています。

 

「CEマークの付いた製品であっても、EN812に適合としているという製品は、自転車用ではありません。自転車用のヘルメットと比べて衝撃吸収能力はほとんどありません」(一般財団法人製品安全協会)

 

EN812は工場などで使う「軽作業用保護帽」の規格で、「CE」の2文字だけではこの違いに気づけません。

 

5. 買う前・届いたあとにできる5つのチェック

 

購入者が自分で確かめられるポイントは、次の5つです。

 

  1. ヘルメット本体にマークのシールがあるか ― 販売ページには書いてあるのに本体にシールがない、という相談が国民生活センターに寄せられています
  2. 規格番号まで書かれているか ― CEなら「EN1078」、CPSCなら「16 CFR Part 1203」。番号がない製品やEN812の製品は避けます
  3. 内側に衝撃吸収層があるか ― 厚みのある衝撃吸収層がない製品は、国民生活センターの検査で衝撃吸収性を満たしませんでした
  4. 製造者名と問い合わせ先が日本語で書かれているか ― 検査した6銘柄中4銘柄は、本体の表示が日本語以外でした
  5. 補助金を使うなら、対象マークを先に確認する ― 対象は自治体ごとに異なります

 

帽子型・キャップ型も同じです。見た目が帽子に近いほど外からは判断しにくいため、第三者認証のマークがいっそう大事になります。

 

6. SGマークの賠償制度と、ヘルメットの買い替えの目安

 

SGマークには、他のマークにない賠償制度があります。製品安全協会によると、「SGマークの有効期限内に製品の使用により事故が国内で発生し、それが製品の欠陥によると認められる場合は、人的損害に対して最高一億円までの賠償を行います」。有効期限は、製品の経年劣化を考慮して品目ごとに設定されています。

 

ヘルメットは使わなくても劣化します。OGK KABUTOは、自転車用ヘルメットの買い替えについて次のように案内しています。

 

  1. 購入後3年を目安に買い替える ― 外観に異常がなくても、シェルや内側のライナーは経年劣化で強度が落ちることがある
  2. 一度強い衝撃を受けたら交換する ― 衝撃を吸収する発泡体は、潰れることで衝撃を吸収する。一度潰れた部分は、次の衝撃で本来の性能を発揮できない

 

なお、SG基準は2023年12月の改正で、特定小型原動機付自転車(いわゆる電動キックボード)も自転車用ヘルメットの適用範囲に含むことが明確になりました。

 

söpötaの場合|3ラインすべてSGマーク取得、衝撃吸収層を一体成型したインモールド構造

 

söpöta 子供用自転車ヘルメット SOP-CH SGマーク取得

 

söpöta(ソポタ)は、1歳から大人までの自転車用ヘルメット3ラインを、すべてSGマーク取得で展開しています。

 

機種 タイプ SGマーク サイズ・重量 バックル
SOP-CH 子供用ソフトシェル 取得 XXS 44〜50cm/約208g・S 48〜54cm/約230g・M 54〜58cm/約247g マグネット式(FIDLOCK)
SOP-HCH 子供用ハードシェル 取得 S 49〜54cm/347g・M 52〜57cm/404g ノーマル(差し込み)式
SOP-AH 大人用キャップ型 取得 M 53〜57cm/約259g・L 55〜60cm/約275g ノーマル(差し込み)式

 

  • 第三者の検査機関で試験:認証機関は一般財団法人ボーケン品質評価機構(SOP-CHは東京生活センター、SOP-HCH・SOP-AHは上海試験センター)と一般財団法人製品安全協会。あわせて、生活用品の材質検査機関で材料の検査も実施しています
  • 衝撃吸収層を一体成型:3ラインとも、外側のシェルとクッション性のある内側の素材を一体成型したインモールド構造です。国民生活センターの検査で不合格だった銘柄に共通していた「衝撃吸収層がない構造」とは、設計の出発点が違います
  • キャップ型のSOP-AHもSGマーク取得:帽子のような見た目でも、中身は他の2ラインと同じくSG基準に適合したヘルメットです

 

söpötaのヘルメット3ラインのレビューは計1,315件、平均評価はSOP-CH 4.43・SOP-HCH 4.63・SOP-AH 4.55です(社内集計・2026年9月時点)。söpötaはSGマークの取得を、毎日かぶってもらうための最低条件と考えています。

 

関連FAQ

 

Q1. 安全基準のマークがない自転車用ヘルメットを、お店が売ってもいいのですか?

A. 法律上は販売できます。オートバイ用ヘルメットはPSCマークがないと販売できませんが、自転車用ヘルメットには販売の規制がありません(国民生活センター、2025年3月)。着用も道路交通法第63条の11による罰則のない努力義務です。そのため、SG・JCFなどのマークの有無を購入者が自分で確かめる必要があります。

 

Q2. 通販で「CE認証済」と書かれた数千円の自転車ヘルメットは、安全だと考えていいですか?

A. 「CE」の表示だけでは判断できません。国民生活センターがEN1078適合をうたう6銘柄を試験したところ、3銘柄が衝撃吸収性の基準250Gを大きく超えました。規格番号がEN1078か(EN812は軽作業用)、内側に衝撃吸収層があるか、本体にマークがあるかを確認してください。

 

Q3. SGマークとJCFマーク、通勤・通学用のヘルメットならどちらがあれば安心ですか?

A. どちらも第三者認証なので、通勤・通学ならどちらでも安全性の目安になります。SGマークは製品の欠陥による事故で人的損害に最高1億円の賠償制度があり、日常使いのヘルメットで広く採用されています。JCFマークは日本自転車競技連盟の公認・推奨で、競技大会に出る場合は公認ヘルメットが必須です。

 

Q4. SGマークの賠償制度は、どんな事故のときに使えますか?

A. SGマークの有効期限内に国内で起きた事故で、製品の欠陥が原因と認められた場合です。人的損害に対して、一事故あたり最高1億円まで賠償されます(製品安全協会)。有効期限は経年劣化を考慮して品目ごとに設定されているため、古いヘルメットを使い続けると対象外になることがあります。

 

Q5. 一度落としたヘルメットは、見た目に傷がなければ使い続けてもいいですか?

A. 強い衝撃を受けた場合は、見た目に異常がなくても交換してください。内側の衝撃吸収材は、潰れることで衝撃を吸収する仕組みのため、一度潰れた部分は次の衝撃で本来の性能を発揮できません。OGK KABUTOは、強い衝撃を受けたときの交換と、購入後3年を目安にした買い替えを推奨しています。

 

※本記事の情報は2026年9月時点のものです。安全基準の比較とテスト結果は独立行政法人国民生活センター「海外の安全基準への適合をうたう自転車用ヘルメット」(2025年3月26日)、SG基準と賠償制度は一般財団法人製品安全協会、措置命令は消費者庁、法律は警視庁・警察庁の公開情報、買い替えの目安はOGK KABUTOの公開情報を参照しています。テスト結果は国民生活センターが購入した商品に関するものです。製品仕様はsöpöta公式情報、レビュー件数はsöpötaの社内集計(集計値のみ)に基づきます。

 

まとめ

 

自転車用ヘルメットには法律上の安全基準も販売規制もないため、安全性はマークで見分けるしかありません。国内で買うならSG・JCFなどの第三者認証が基本の目安です。「CE」表示は規格番号EN1078と内側の衝撃吸収層まで確かめてください。国民生活センターの検査では、CE適合をうたう6銘柄中3銘柄が衝撃吸収性の基準を3倍以上超えていました。söpötaのヘルメットは3ラインすべてSGマークを取得しています。

 


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